ハウオールドアー?


友人で彼らと親交をもつH.M氏から「また録ってるらしいよ」と聞いたのは昨年の夏ごろだったろうか、「やれやれ、また悪い病気が始まったか」と思っていたのだが、送られてきたテープを聴いてみると今回は本気だったようだ。
というのも10年程前から、いろんな音楽に影響を受けたり飽きたりする度に(注1)レコーディングを開始、そして中断。そんな繰り返しで一向に出来上がる気配もなく、周囲の人たちからは半ばあきらめられていたが、まさに春の珍事「グロセンのデビューアルバム到着」である。
全8曲による「How Old Are…?」だが良い作品に仕上がっている。曲そのものの良さと圧倒的なグルーブ感は一朝一夕に出来るものではないことがうなずける。良くも悪くも流行の音ではない。また、いわゆる日本のバンドらしい音(注2)ではあるが、聴けばきく程のめりこんでしまうのはグロセンの思うツボなのだろう。やはりただのラブソングは歌わないという気概があり、ふてぶてしくも己のロック道を突き進む姿は今も昔も変わっていない。
次の作品がいつごろ出来るのか予想すること甚だ困難であるが(注3)本アルバムの曲がどんなふうに演奏されるかを楽しみに数少ないライブを待つことにしよう。

1999.02 春よ来い
三十で独身でロック通の花火大会批評家 K.Y

(注1) 彼らの趣味は変わりやすく10年前はトッド・ラングレン、XTC、5年前はフィリーソウル、そして現在はベックとジム・オルークにかぶれているようだ。ちなみに先日、XTCの新譜リリースのニュースに「もう興味ないよ」とすかしていたが、某CDショップにてしかっり予約をしているメンバーの姿が目撃されている。
(注2) ひたすら洋楽を聴きあさっていた中学時代、「はっぴいえんど」「四人囃子」「ムーンライダーズ」等、日本のバンドに衝撃を受け活動を始めたという。当時の彼らを知る人によるとバンド結成時、家では友人に「キングクリムゾン」等を聴かせいい気になっていたようだが、メンバーでまともに演奏出来たのはキーボードの三枝氏だけで、3コードのロックンロールもまともにプレイできず、練習場に友人を呼ぶことは御法度であったという。うかつにも三枝氏が「ELPのタルカス」をフルコピーしてしまった時に、解散話が持ち上がったのは言うまでもない。
(注3)「曲はたくさんあるんだ、ZAPPAみたいにな。ヘヘヘ...・・」と嘘ぶいている。

01.GM1
02.レイ・デイビス
03.プリンスバーガー
04.プレジャーマシン
05.OMIYAGE
06.バースデイ
07.ジープミュージック
08.おはよう

How Old Are…?

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