グローブセンシズ3


「すべてのロックバンドがXTCに憧れている。」というのは間違いだったようだ。見破るには多少骨を折るようになったがトッド・ラングレンは今でも魔法使い。 そして、Glove Sensesは未だに塀の上から降りて来ない。

高架線に昇り航海は続く。

山梨アンダーグラウンドロックの重鎮としてレコードコレクター達からの信頼も厚いグローブセンシズ。本盤のデモにおいてすでに各方面から「聴いたことのない音だが名盤リイシューの匂いがする。」と早くも話題騒然。

12年前にリリースされた「How Old Are?」は今でも語り草となっており再発を望む声が高まっている。セカンドアルバム「Glove Senses」ではあの四人囃子「ピンポン玉の嘆き」を人力テクノアレンジによりカバー、近年のボックスリリースで目を覚ました四人囃子マニアをも唸らせた。

今回リリースされる「Glove Senses III」ではメンバー全員が作詞作曲を手掛けており実験的な音を散りばめながらも往年のシンガーソングライターを思わせるピースフルな楽曲が並ぶ。各メンバー独自の解釈によるロック感が楽しめるが「どうやらメンバー4人全員が揃った時に現れる第5のエレメントによってグローブセンシズ航路の舵は切られている。」と彼らは口を揃える。

Popな曲に騙され、のん気な気分で聴いていると足をすくわれる。そうゾンビ映画のように。なお、山梨アンダーグラウンドロック界の怪腕リミックス博士、中込清一朗氏に委ねた2曲が見事に解体/変容/再構築を遂げ新たな密室芸術に発展している点も聴きどころである。

新譜試聴記レビュー from CDジャーナル2011年7月 ››「地元山梨で活躍する4人組ポップ・ロック・バンドのサード・アルバム。CDケース内の写真でメンバーが四人囃子やCAN、フェイセスなど、それぞれのフェイヴァリット・アルバムを持っているが、初期四人囃子からの影響を強く感じさせる叙情派ロックだ。そこが面白い。」

レビュー from ミュージック・マガジン2011年9月号 ››「山梨のグローブセンシズのサード・アルバム、Glove Senses IIIはメンバー4人全員が作詞作曲をした10曲入りCD。シスコ・サウンド、クラウト・ロック、70年代のアメリカン・ロック、後期ジョイ・ディヴィジョン~初期ニュー・オーダー、トータスらがイメージできる様々な表情を人力で見せてくれる。でも散漫にならず、トッド・ラングレンやXTCも好きそうな音作りで、ポップ&メロー&パワフルな一貫性がある。平均年齢48歳というのも納得の奥深さだが、加齢臭がせず、かといって流行りに媚びた若作りもせず、東京産でないからこその純情で洒落たロックを展開。全員が歌うヴォーカルはみな繊細で、それでいて歌詞が微妙にシニカルなのも面白い。」

2011年05月25日(水)リリース

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DDCZ-1752 定価2,100円(税抜価格2,000円) 全10曲 Total Time 40’59″ 2011/05/25発売

01 DEADLINES (3’28”)
02 水中 (5’22”)
03 皆に行徳 (3’19”)
04 バリケード (4’45”)
05 休暇 (4’43”)
06 言論の自由が丘 (4’21”)
07 内視鏡 (3’12”)
08 Sea Of Joy (3’51”)
09 .B (3’45”)
10 隣のドイツ人 (4’18”)

Glove Senses III

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